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岐阜薬科大学

概要

近年のがんに対する薬物療法の進歩は目覚ましいものがありますが、それでも、未だにがんは患者や介護者にとって最も悲惨で壊滅的な結果をもたらす疾患の一つに数えられています。そのため、革新的?画期的な医薬品によるがん治療が、全世界で切望されています。しかしながら、医薬品は国ごと、地域ごとで審査?承認がされるため、全ての地域の患者が平等に医薬品にアクセスできるとは限りません。そこで筆者らは、過去20年間に米国、欧州、そして日本において承認されたファースト?イン?クラス(FIC)抗がん剤の開発?承認状況を調査しました。

ファースト?イン?クラス(FIC)抗がん剤とは、それまでの医薬品とは明らかに異なる作用機序を有する「画期的な」医薬品(抗がん剤)です。しかし、作用機序を国際的?統一的に分類する基準は存在しません。そこで、筆者らは日本のユニークな薬価制度で用いられている「薬効分類表」を活用することで、がん患者に対してどのような薬物治療が提供されているかを、異なる国や地域で比較することが可能であると考えました。

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2010年以前

2010年以後

薬効分類数の増加傾向

95%信頼区間

ANOVA

?

薬効分類数の増加傾向

95%信頼区間

ANOVA

米国

5.52

[5.21 - 5.84]

p<0.001

10.6

[9.74 - 11.57]

p=0.342

欧州

4.29

[3.93 - 4.66]

10.01

[9.4 - 10.62]

日本

3.11

[2.70 - 3.52]

10.25

[9.99 - 10.5]

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また、がん治療における充足度の指標としてFIC抗がん剤の承認申請や承認のラグ(時間差)を分析した結果、米国と欧州の間では1年未満である一方で、日本の承認が他地域に比べて大幅に遅れていることが明らかになりました(米国に対して2年以上、欧州に対して1年以上)。

本研究成果は、日野慶承(実践薬学大講座、グローバルレギュラトリーサイエンス研究室、薬学科学生)、岡田美海(同左)、Christine Erikstrup Hallgreen(コペンハーゲン大学), Marie Louise De Bruin(ユトレヒト大学), Randell E Doty(フロリダ大学),松丸直樹(准教授)、塚本桂(教授)らにより、日本薬学会が発行する英文学術誌「Biological and Pharmaceutical Bulletin」に掲載され、Editor's pickとして選ばれました。

本研究成果のポイント

  • 日本のユニークな薬効分類表を活用することで、国や地域間で生じているがん治療の不平等さを可視化しました。
  • 画期的FIC抗がん剤に着目して、日本の承認が米国?欧州に比べて大幅に遅れていることを明らかにしました。
  • 抗がん剤の社会的インパクトの大きさを考え、国際協力の枠組みを整備し、地域間のがん治療の不平等さを改善する努力が必要である。

論文情報

オンライン掲載日: 2023年3月4日

研究室HP

https://gpu-grs.wixsite.com/gpu-grs