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岐阜薬科大学

4-イミダゾリジノンは多くの生物活性天然物に含まれる重要な構造です。また、ペプチドに4-イミダゾリジノン構造を導入することにより、生体内での安定性や膜透過性が向上することも報告されています。このように、4-イミダゾリジノンが非常に有用な構造であることから、これまでに様々な合成法が開発されてきましたが、多くの方法では強酸や高温といった過酷な反応条件や、煩雑な実験操作を必要としています。

本研究では、高い反応性を有するエチニル超原子価ヨウ素反応剤を用いることにより、様々なペプチド誘導体を含むジアミド類を非常に温和な条件で4-イミダゾリジノンに誘導化することに成功しました(図1)。

研究成果 図1 JPEG.jpeg

合成した4-イミダゾリジノンは、加水分解や薗頭反応、脱保護反応などにより、様々なペプチドアナログに誘導可能です。また、対照実験や理論計算により、本反応が分子間および分子内マイケル付加型の反応で進行していることを明らかにすることができました。今回開発した方法により、これまで合成困難であったペプチド誘導体の合成が可能となり、医薬品や農薬の開発に寄与できると考えられます。

研究成果 図2 JPEG.jpeg

本研究成果は、岐阜薬科大学合成薬品製造学研究室の清水彩加、柴田篤、加納天、熊井雄一、川上諒平、多田教浩講師、伊藤彰近教授、兵庫医科大学化学研究室の江嵜啓祥講師、福島和明教授らの共同研究であり、アメリカ化学会誌「Organic Letters」に公開されました。
(https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.orglett.2c03648)

本研究は、JSPS科研費(Grant Number, 19K06977, 22K06530)、ヨウ素学会ヨウ素研究助成、小川科学技術財団研究助成などの支援を受けて行われたものです。

本研究成果のポイント

  • 高い反応性を有するエチニル超原子価ヨウ素反応剤を用いることで、これまで困難であったペプチド由来の4-イミダゾリジノンの合成を達成した。
  • 対照実験や理論計算により、エチニル超原子価ヨウ素反応剤の新しい反応形式を解明した。

論文情報

  • 雑誌名:Organic Letters
  • 論文名:Synthesis of 4-Imidazolidinones from Diamides and Ethynyl Benziodoxolones via Double Michael-type Addition: Ethynyl Benziodoxolones as Electrophilic Ynol Synthons
  • 著者:Ayaka Shimizu, Atsushi Shibata, Takashi Kano, Yuuichi Kumai, Ryouhei Kawakami, Hiroyoshi Esaki*, Kazuaki Fukushima, Norihiro Tada*, Akichika Itoh*
  • 巻号:24巻、48号
  • ページ:8859-8863
  • DOI番号10.1021/acs.orglett.2c03648

研究室HP

https://www.gifu-pu.ac.jp/lab/gousei/